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イギリス音楽留学 TRINITY COLLEGE OF MUSIC |
トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージック / ジャズピアノ専攻
「いろいろ苦労や試みをした分、少しのことでは動じなくなった」 井上貴暁さん
留学したきっかけ
日本の大学で4年間音楽を勉強していたのですが、とにかく大学を卒業した後も何らかの形で音楽の勉強を続けたいと思っていました。大学の先生に相談したところ、もし本当に音楽の勉強をしたいのであれば1番いいのは外国へ行くことだといわれました。「音楽はもともと、外国で生まれた文化だし日本で勉強を続けていてもそれは結局、日本人が外国人の文化を真似したことを勉強することになる。外国に住んでいれば自然に歩き方やしゃべり方などもその国の人たちと同じようになってくるし、それは音楽においても同じだ」と言われました。いろいろ考えた結果、少しでも自分にプラスになるならと思い留学を決めました。
イギリスを留学先に選んだ理由
ジャズを学びたいと思っている人は普通アメリカを選ぶ人が多いのですが、英国の文化、いろいろな音楽があふれている英国という国がとても魅力的に思えた事、あと今通っているトリニティ・カレッジが自分にとって魅力的だった事。今は英国を留学先に選んでとてもよかったと思っています。
留学前と後のギャップ
とりあえず英国の物価の高さにはびっくりしました。特に食べ物の値段には。毎朝、ランチの為のサンドイッチを作って節約しています。気を付けてやり繰りしていかないと、すぐにお金がなくなってしまいます。あとこれはよく聞く話かもしれませんが、英語は思った以上に苦労しています。最初、英国についたばかりの時は物を買うのやバスなどの行き方を訪ねるだけでもかなり苦労しました。思った以上に会話のスピードが速く、ゆっくりしゃべってもらってもアクセントが全然違ったりして、相手の言っていることを理解するのにはかなり苦労します。(特に若い学生の英語のアクセントにはかなり苦労します)これは時間を掛けて慣れていくしかないのかもしれませんが、とりあえず英語には思った以上に苦労しています。
寮について
今の所全然不満はないですし、ネイティブの友達を作りたいとか自分の英語を上達させたいという人にはとてもいい場所なのではないでしょうか。ただある程度の我慢は必要だと思います。(ある程度の騒音とか、人によっては食事が気に入らなかったりする人もいるかもしれないし、建物が古いのも我慢しないといけないし)フラットとかを借りると、どうしても金額が高くなるらしいし、自分で食事を作る手間などを考えれば、寮は友達をたくさんつくりたいとか、勉強に集中したいという人には最適な場所だと思います。
授業の内容
今の大学の、実技、アカデミック・レッスン、個人レッスンどの授業にもとても満足しています。特に学校の設備(楽器など)が充実している事にはびっくりしました。学校内のピアノ演奏者用の練習室には、すべてグランドピアノがおいてあります。(日本にいた時に自分が通っていた大学ではとても考えられないことです。)他の生徒もこの大学の設備はロンドンにある音楽大学の中で1番だと言っています。音楽関係の授業はアンサンブル・レッスン、ジャズ・ミュージシャン・シップ(アカデミック・レッスン)、個人レッスン、その他は語学の授業などです。「アンサンブル・レッスン」は自分の1番好きな授業なのですが、毎回先生がその日の課題曲を持ってきて、その曲のCDを聞いて意見を出し合ったり、あとは実際にその曲を生徒達で演奏したりするという授業で、毎週この授業はすごく楽しみにしています。「ジャズ・ミュージシャン・シップ」は音楽理論の授業なのですが、先生が実際に楽器を演奏して理論を説明したり、時々生徒達も一緒に楽器をもってその日に勉強している課題を演奏するなど、なかなか楽しい授業です。「個人レッスン」はとりあえず自分にとってものすごく役に立つレッスンです。時々ものすごく厳しいことを言われたりもしますが、このレッスンもかなり気に入っています。(けど、どの授業も英語でかなり苦労しています。)
夜や休日の過ごし方
毎日、休日も関係なしに学校と寮の往復ばかりしています。平日も寮での食事が終わった後、また大学に戻って夜の10時頃までピアノの練習をしたりします。土日もいつも夜の7時〜8時ごろまで大学のほうにいます。時々その後に友達とパブに行ったりとかします。とりあえず大学が始まってから1日ゆっくりと休みをとった日というのが全然ないです。
現在の授業内容や課題(プロジェクト)について
アンサンブルレッスンでサックスとピアノのデュオに挑戦しています。ドラム演奏者かベース演奏者がいないのでピアノがリズムやベースの部分も担当しないといけない為、かなり大変です。
寮内で体験した楽しい出来事やイベントなど
いつも(土、日曜日も含む)大学の方にいて、寮に帰ったらすぐに寝てしまうという生活なのであまり思い当たらないのですが、去年は週に3、4回は火災警報機が鳴るのには困りました。(しかも、いつも夜中の2時とか5時とか、音がうるさすぎてとても寝ていられるような音ではない)周りの人達の話では誰かがいたずらで鳴らしているらしいけど、いったい誰が。(ちなみに今年からは火災報知器はめったに鳴らなくなりました。)
ロンドンでのクリスマスとお正月はどのように過ごされましたか?
12月の始めから、大学は冬休みだったのですが、12月20日までロンドンに滞在しました。年末年始は日本に一時帰国しました。ロンドンにいる間は、毎日大学に通い、ずっとピアノの練習に専念していました。
日本のクリスマスやお正月との違いや驚いたことなどありましたか?
11月ごろから、クリスマスツリーやイルミネーションが飾ってあるのには少し驚きました。少し早すぎるような気が。
おもしろい失敗談など
マクドナルドで「 Coffee, Please 」といつも注文するのですが、自分の英語の発音がちょっと違うらしくて、いつも店員の人が Coke(コカコーラ)と間違えてしまう。友達に発音をチェックしてもらったのですが、今でも50%くらいの確立で間違えられてしまう。
課題(プロジェクト)の評価、先生のコメントなど
今年はじめてのアンサンブルレッスンの時に、「Taka(※)は周りの演奏者の音を全然聴いていない。周りの演奏者と一緒に演奏出来ていない」と、かなり厳しく怒られてしまいました。その週、同じ授業に出席しているホーン演奏者に、授業以外の時間に一緒に練習したいんだけど!と頼んでみました。(去年は声をかける事もできなかったけど、このままではいけないと思い、頑張って声をかけてみる事にしました。)相手の返事はイエスで、何回か合わせの練習をした翌週、先生の前で演奏したのですが、その時はなかなかいい評価をもらう事ができました。今では、そのホーン演奏者と定期的に授業以外の時間も一緒に練習するようになりました。今はきびしい評価をしてくれた先生に感謝しています。
※ 周りの友達は自分の事を Taka か Ivory と呼んでいます。Taka は自分の Takaaki という名前が縮まったもの。Ivoryというのは自分のイングリッシュネーム。最初大学に来た頃に、周りのネイティブスピーカーの人が誰もTakaaki という名前を発音できなくて困ってしまいました。その時に、英語の先生に何かいいニックネームはないかなと相談したところ、古いピアノの鍵盤の材料が象牙、そして象牙はとても高価なので、ピアノで成功して大金がゲットできるようにっていう意味でアイボリーとつけてくれました。もちろんこの名前はすごく気に入っています。
その他
周りの友達からは、自分の英語力がものすごく伸びているのに驚いたとよく言われますが、自分ではまだまだだなと思っています。(自分よりも英語力が伸びている生徒は、まわりにたくさんいますし。)ある日、友達にピアノの事をいろいろと相談したことがあったのですが、その時に「一年間というのはあっという間だから、自分のしたい事をきちんとやっておかないと、日本に帰った時にすごく後悔することになる」と言われました。それから、週に1、2回くらいのペースで、ロンドンのクラブかパブにあるジャム・セッション(アマチュアのプレイヤーでも、誰でも参加できるセッション)に参加するようにしています。もちろん周りはネイティブスピーカーばかりだし、自分より若くてプロと同じような技術をもったプレイヤーもたくさんいたりして、セッションに参加するのもすごく勇気がいりますが、後々、後悔したくないので頑張って参加しています。
留学生活を終えて
イギリスでの1年間の留学生活は、本当にあっという間に過ぎました。留学をすると、行動力がつくとか、逞しくなる等という話をよく聞きますが、本当だなと、改めて実感しました。留学当初は、いろいろなことで苦労します。特に最初は、買い物や、バス・電車の乗り降りだけでも不自由な思いをします。あと、一番苦労するのが、言葉、生活習慣や文化の違いだと思います。言葉の面では、留学前に考えていた何倍も苦労しますし、外国の友人ともちょっとした相手の行動に、ものすごく腹が立ったり、意見が合わなかったり、自分の言いたいことも英語で伝えることが出来なかったりと、苦労する部分もたくさんありました。しかし、そういうことを乗り切ることを経験した分、日本に帰ってからいろいろ行動する機会がある時に、留学時にいろいろ苦労や試みをした分、少しのことでは動じなくなっていると思います。あと、留学して良かったなと思うのが、日本にいては体験できない、外国の人たちとの交流ができた事。最初、大学生活が始まって2、3ヶ月間は、なかなか他の生徒たちとコミュニケーションが取れずにつらい思いをしてました。(学校で会話するのも、いつも日本人やアジア人の生徒という状態)ある時、このままでは何もしないまま1年間の留学生活が終わってしまうと思い行動を起すことにしました。何をしたかというと、ロンドンの情報誌で、定期的に自由参加のジャズ演奏者のためのセッションを行っているジャズ・クラブやパブを探して、セッションに参加してみることにしました。英語力も、日常会話さえ全然話せなかった頃なので、今考えればかなり無謀ですが、、、。3ヵ所ほど挑戦してみて、中には留学終了時まで、全然「場」の雰囲気になじめない場所もありましたが、1ヵ所すごく気に入ったパブがあり、そこのセッションには毎週必ず参加するようにしてました。毎週参加するうちに、まわりの演奏者にも顔を覚えてもらって、いろいろ話しかけてきてくれたり、親切に接してもらえました。うまく演奏できた時は、まわりの人は自分の演奏を誉めてくれるし、すごく大きな失敗をしても、笑ったり、けなしたりせずに、いろいろなアドバイスをくれたりするし、そのパブで演奏するのを毎週楽しみにしていました。日本に帰る最後のセッションの時には、僕には内緒でメッセージを用意してもらったり、みんな集まって写真を撮ったりと、すごく親切にしてもらいました。またロンドンに行く機会があれば、真っ先に行ってみたい場所のひとつです。
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