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イギリス音楽留学 TRINITY COLLEGE OF MUSIC |
トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージック IPS Course ピアノ専攻
「年齢、国籍、職業をとわず勉強できる環境」 芳賀真理子さん

イギリス音楽留学のメリット
日本の音楽大学よりは入試が比較的楽だと思います。ただ、漠然と「音楽の勉強がしたい」と考えていても入れてもらえないところはに日本もヨーロッパも差がないので、「どうして勉強したいのか」「自分に必要なことは何か」ということをインタビュー(面接試験)でアピールできる程度の意識はもっていた方がいいと思います。いわゆる“西洋音楽”がヨーロッパで生まれ、発展したものである以上、勉強するためにヨーロッパ留学を考えることは当然です。留学に際し、語学力は最大の問題ですが、イギリスはヨーロッパでは数少ない英語が公用語の国であり、日本人にはなじみやすいと思います。イギリス人は芸術に関して、大きな理解を示す人が多く、とくにロンドンはコンサート、美術館、演劇など一流のものが集まってくる場所です。また、ヨーロッパ各国へのアクセスが便利で、ヨーロッパ文化をマクロ的な視野で理解する機会が得やすいと思います。 勉強したいと考えている人に対して寛容なところがあります。勉強したいと思ったら年齢、国籍、職業をとわず勉強できる環境と周囲の理解を得やすいです。日本のように「勉強は若い人がするもの」という考え方をしないように思いました。
トリニティの授業について
日本の大学のように一般教養科目のようなものはなく、すべて音楽に関する授業です。
IPSについてはいくつかのIPS用の科目のほか、ミュージシャンシップなどはBMus1年生の科目を履修します。なので、IPSからBMusに進学すると、同じ科目を履修する場合は2年生のクラスから履修しています。
PGの学生は実践のためのクラスが中心になります。
英語力については、意外にレポートを提出する機会が多いので、話せることも重要ですが、きちんと文章にまとめる力が必要です。私は英語のクラスも出ていたので、英語の先生に文法などの指導を受けていました。レポートは、授業の課題を出すほか、コンサートに出る際のプログラムノート、コンサートレポートなどでまとまったものを出す必要があります。
「ファカルティ・クラス」は専攻楽器によって内容が変わります。室内楽、レパートリー、アンサンブルについて勉強します。私は伴奏法のクラスと、古典のレパートリーについて学ぶクラス、奏法を研究するクラスに出ていたほか、伴奏者として弦楽器のクラスに出たりもしました。
レッスンはフルタイムの学生は週1回90分ですが、副科のレッスンを取る場合は60+30分になったり、歌の学生はヴォイストレーニングのための先生についたりしています。レッスンの先生は各専攻楽器の教授の方々が入試の様子をみて振り分けますが、うまくいかない場合は各リーダーの先生と相談のうえ、変更手続きをとってもらっているようです。専攻楽器の変更もできますが、こちらはコースリーダーの先生と相談して、オーディションをしているようです。
トリニティ・カレッジ・ロンドンのディプロマ試験に1回無料でトライできるので、受けて来ました。日本ではあまりなじみのないタイプの試験ですが、ぜひ受けてみてください。
生活ついて
学校の練習室は朝8時から借りることができたので、私は午前中は自分の勉強にあて、午後は授業にでたりあちこち見たりする時間に当てていました。
ロンドンは交通費がかかるのですが、私はバスとBRをうまく利用して動いていました。
コンサートは学生料金で見ることができたので、できるだけ行くようにしていました。
外食は高いので極力自炊していました。トリニティの近く(ロンドンの南東)はマーケットが多く、たいていの食料は入手できます。東グリニッジに大きな中国食料品店があります。
留学準備
楽譜は大学の図書館や公共図書館で閲覧できますので、たくさんもって行く必要はないと思いますが、コンクールなどでコピーが使えなかったり、貸し出し中だったりすることもあります。ニューボンドストリートに比較的大きな楽譜店があります。
辞書は英語のもののほか、ドイツ語、イタリア語、フランス語のものはあったほうがいいです。英独、英仏などでよければ現地調達可能ですが、日本語のものがほしければ準備した方がいいです。レッスンや授業は英語で行いますが、音楽用語そのものは英語ではありません。
音楽史、楽曲分析、対位法などは日本語でかまわないのでざっと勉強しておく方が楽です。自分の選考楽器以外の楽器・歌についても興味を持つようにしましょう。
日本の文化、文字、言葉、暦、地理、歴史、宗教観、風土、食事などについて、英語で言えなくてもいいですから知識として知っていたほうがいいです。ホームステイを考えている方は、とくに必要になると思います。和食などは意外にパーティーなどで作る機会があります。また、政治、宗教については、ヨーロッパでは日常的な話題になります。
音楽以外の芸術について高い関心を持ちましょう。
物価が高いです。とくに文房具については信じられないほど高いです。売っている店もあまりないので、十分準備した方がいいと思います。
身の回りのことはできるようにしたほうがいいです(食事、洗濯、清掃など)。これらを苦痛に思う人から挫折したり失敗したりしています。やったことがない人は、この手のマニュアルも持っていたほうがいいと思います(料理の本など家政についての本)。
よかったこと
ピアノに関して言えば、どの先生も一定の評価、指導をするので有難かった。
アンサンブルを勉強する機会に恵まれたこと。
日本でいえば「国内旅行」のノリであちこち行けたこと。毎日の練習があるので旅行に出るには勇気が要りましたが、思い切ってパリやミラノに行っておいて良かった。ロンドンにいたからできることだったし、日本から改めて行くには大変です。私のまわりにいた学生はみなちょっと博物館に行くのですら億劫がっていましたが、それではヨーロッパにいる意味がありません。
日本を離れて「日本とは」、と考える機会があったこと。
オペラやバレエをたくさん見ることができました。とくにバレエはイギリスは高水準ですので、ぜひ見て欲しいです。
留学を成功させるには
「生きる」ことに貪欲であること。身の回りをきちんとしたり、規則正しい生活をしたりすることは結構重要です。また食べ物をきちんと確保することは留学を成功させる秘訣といってもいいと思います。
自分に何ができるか、できないのかをきちんと把握しましょう。実は日本人にはもっとも苦手な部分ですが、これがちゃんとできないと敵を作ります。いわゆる「謙そん」はあまり役に立ちません。また、でしゃばるのと積極性を取り違えないこと。
体力をつけること。ロンドンは案外「歩かされる」街でもあります。気候もそれほど穏やかではありません。
いろいろとネガティブな場面に出会いますが、それらを「受け入れる」ことを上手にした方がいいと思います。 |
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