アメリカの大学で使える英語試験とは?

留学生がアメリカの大学に進学するには、入学条件として英語力が求められています。英語力を証明するためには、英語試験のスコアが必要になります。英語試験は、TOEFL iBT®、IELTS™、TOEIC®、英検などあります。アメリカの大学では、主にTOEFL iBT®とIELTS™が受け入れられています。英検は一部の4年制大学やコミュニティカレッジ(2年制大学)で受け入れられています。TOEIC®は限られた大学しか使えませんので、ほぼ使えないと考えた方が良いかもしれません。今回は、TOEFL iBT®、IELTS™、英検をご紹介します!

TOEFL iBT®はどんな英語試験?

アメリカ、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、ヨーロッパとアジアなどの160か国以上の国で、1万1,500を超える大学およびその他の機関で受け入れられています。世界中で3千500万人を超える人々が受験しています。TOEFL iBT®はアメリカで開発された英語試験で、「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を総合的に、大学レベルの英語を使用および理解する能力を測定します。さらに、各スキルを組み合わせて、課題を遂行する能力を評価するなどどれだけ英語を「知っているか」ではなく、「使えるか」に焦点をあてられています。

TOEFL iBT®テストは年間50回以上、認可された世界中のテストセンターで行われています。テストは何度でも受けることができますが、次回の受験まで 12 日間あける必要があります。すでに受験を申し込んでいる場合は、その受験日から 12 日以内の日程で再受験を申し込むことはできません。受験料は$245 (指定のテストセンターの場合)です。ちなみに国によって受験料は異なります。

TOEFL iBT®テスト内容

TOEFL iBT®テストは、インターネットを介して英語で実施されます。テストは4つのセクション(Reading、Listening、Speaking、Writing)で構成され、テスト全体の所要時間はチェックインを含め約3時間です。

セクション制限時間問題数・設問数課題
Reading 54-72分問題数:3または4パッセージ
設問数:各10問
・アカデミックな長文読解問題
(1パッセージ約700語)
・自然科学、社会科学、芸術など幅広い分野の教養科目を題材に出題
Listening41-57分【講義】問題数:3または4題 設問数:各6問
【会話】問題数:2または3題 設問数:各5問
・講義と会話の2種類で構成
・幅広い分野の教養科目を題材とした講義(3-5分)
・教授と学生、大学職員と学生、学生同士などの会話(約3分)
Speaking17分【Independent task】 1問
身近なトピックについて意見を述べる
準備15秒 解答45秒
【Integrated tasks】 3問
読んだり聞いたりした内容を要約して話す
(1)Read+Listen→Speak 2問
準備30秒 解答60秒
(2)Listen→Speak 1問
準備20秒 解答60秒
Writing50分・マイクを通して回答音声を録音
【Integrated task】 1問 20分
読んで聞いた内容を要約してエッセイ形式で書く
(150~225 words)
【Independent task】 1問 30分
設問に対する自分の意見を書く
(300 words以上)

TOEFL iBT®スコア

各課題の結果から算出される 4 セクションそれぞれのスコアと総合スコアが通知されます。
Readingセクション:0 – 30
Listeningセクション:0 – 30
Speakingセクション:0 – 30
Writingセクション:0 – 30
——————————————
総合スコア:0 – 120

受験者のスコアレポートには、スコアのほかにパフォーマンスレベルを示すフィードバックと、当該範囲のスコア獲得者が一般的にこなせる課題の説明が記載されています。TOEFL iBT® スコアは受験日から 2 年間有効です。受験回数についての制限はありませんが、テスト日は 12 日あける必要があります。すでに受験を申し込んでいる場合は、その受験日から 12 日以内の日程で再受験を申し込むことはできません。

※ETS(https://www.ets.org/jp/toefl/test-takers)より抜粋

IELTS™はどんな試験?

世界最大級の受験者数(年間300万人)を誇る、10,000以上の教育・国際機関、企業等が認定する英語運用能力評価試験です。IELTS™は、IELTS AcademicとIELTS Generalの2つのモジュールがあります。

IELTS Academicモジュールは、受験生の英語力が、英語で授業を行う大学や大学院に入学できるレベルに達しているかどうかを評価するものです。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学や大学院では、アカデミック・モジュールでの試験結果が入学許可の判断の基準となっています。一般的に、大学や大学院において英語で学びたい方や、英語圏での看護師や医師登録申請をする方は、このアカデミック・モジュールでの結果が必要です。一方、IELTS Generalモジュールは、英語圏で学業以外の研修を考えている方や、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドへの移住申請をされる方は、ジェネラル・トレーニング・モジュールを受験することが一般的です。

IELTS Academicテスト内容

高等教育を受ける環境において必要な英語運用能力を備えているかどうか、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を測る試験です。ライティング、リーディング、リスニングの筆記テストは同日に実施されます。試験時間は約2時間45分で、各セクションの間に休憩時間はありません。スピーキングテストはIELTSの世界的な規定により、筆記テストの前後6日以内に行われます。受験料は25,300円~29,400円(ペーパー版、コンピュータ版、英国大学留学のためのTier4(学生ビザ)申請版によって料金は異なる)です。イギリスの大学に出願する場合、”UK Visas and Immigration (Academic and General Training) (イギリスビザ申請用IELTS)”の受験を求められる場合があります。

Writing(60分)
TASK 1: 150文字以上(約20分)
グラフや表、図形を分析し、自分の言葉で客観的に説明します。また、物事の過程や手順の説明を問われることもあります。

TASK 2: 250文字以上(約40分)
ある主張や問題についてエッセイを書きます。出題されるのは、大学や大学院に進学を予定している受験者もしくは就職を希望している受験者に適した一般的な題材です。

Reading (60分)
3セクション 全40問
様々なタイプの問題(選択問題、正誤問題、組み合わせ問題、見出し・主題の選択、文章・要約・メモ・表・フローチャート・図表の穴埋め、記述式問題)が出題されます。

Listening (30分)
4セクション 全40問
様々なタイプの問題(選択問題、組み合わせ問題、計画・地図・図表の分類、用紙・メモ・表・フローチャートの穴埋め、要約・文章完成、記述式問題)が出題されます。

セクション1:日常生活における2人の人物による会話(宿泊施設の予約など)
セクション2:日常生活におけるモノローグ(地域の施設に関する描写、食事の手配に関する説明など)
セクション3:教育の現場における複数(最大4名)の人物間(課題について話し合う大学の指導教官と生徒、研究計画について議論する学生など)の会話
セクション4:学術的なテーマに関するモノローグ(大学の講義など)

Speaking (11~14分)
試験官との1対1のインタビュー形式で行われ、3つのパートから構成されています。テストの内容は録音されます。

質問に答えながら、日常の話題や出来事について情報を伝え、意見を述べるコミュニケーション能力、与えられたトピックに関して適切な言葉使いと一貫性を持って、ある程度の長さのスピーチをする能力、説得力のある意見を述べ、物事を分析、議論、推測する力などが問われます。

IELTS™スコア

テスト結果は1.0から9.0のバンドスコアで示されます。合格、不合格はありません。リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの各パートの英語力がバンドスコアで示される他に、総合評価としてオーバーオール・バンド・スコアが与えられます。

※ブリティッシュカウンシル(https://www.britishcouncil.jp/exam/ielts)及び日本英語検定協会(https://www.eiken.or.jp/ielts/test/)より抜粋

英検(実用英語技能検定)について

アメリカの大学で「英検」が使えるって知っていますか?
近年、高校で英検を受験する機会が増えてきています。現在、アメリカの大学やコミュニティカレッジで約400校が留学時の語学力証明として英検を認定しています。

試験問題は、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの英語4技能のバランスを重視し、社会で求められる実用英語を出題しています。身の回りの日常会話から、教養を深める社会的な題材まで、実際に英語を使用する場面を想定して厳選されています。英検は学習レベルに応じて7つの級が設定されています。

英検1級・準1級:英語使用者として国内外高評価される
英検2級・準2級:使える英語の幅を広げ、世界へ飛躍する力を養う
英検3級・4級・5級:英語の基礎を身につけ、一歩ずつ確実にステップアップ

英検の各級について

英検1級(大学上級程度)
二次試験では2分間のスピーチと、その内容への質問がなされます。
カギは英語の知識のみでなく、相手に伝える発信力と対応力。
世界で活躍できる人材の英語力を証明します。

✐一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)

英検準1級(大学中級程度)
エッセイ形式の実践的な英作文の問題が出題されます。
「実際に使える英語力」の証明として高く評価されています。

✐一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)

英検2級(高校卒業程度)
医療やテクノロジーなど社会性のある英文読解も出題されます。
海外留学、国内での入試優遇・単位認定など、コミュニケーション力が高く評価されます。
ビジネスシーンでも採用試験の履歴書などで英語力をアピールできます。
ライティングが加わります。

✐一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)

英検準2級(高校中級程度)
教育や科学などを題材とした、長文の穴埋め問題が加わります。
センター試験の問題形式と共通点が多く、入試対策にも最適。
高校卒業段階の英語力の達成目標:準2級~2級(文部科学省)

✐一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)

英検3級(中学卒業程度)
二次試験でスピーキングテスト。英語で考えを伝えましょう。
筆記試験の題材は、海外の文化など少し視野が広がります。
中学卒業段階の英語力の達成目標:3級(文部科学省より)

✐一次試験(筆記とリスニング)と二次試験(面接形式のスピーキングテスト)

4級(中学中級程度)
出題形式や内容が、より実用的に。
身近なトピックを題材とした読解問題が加わります。
基礎力をぐんぐん伸ばしていきましょう。
スピーキングテストも受験可能です。

✐一次試験(筆記とリスニング、録音形式のスピーキングテスト)

英検5級(中学初級程度)
英語を習い始めた方の最初の目標。
家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。
英語の基礎固めに最適です。
スピーキングテストも受験可能です。

✐一次試験(筆記とリスニング、録音形式のスピーキングテスト)

※公益財団法人日本英語検定協会の英検(http://www.eiken.or.jp/)より抜粋

アメリカの大学留学について

アメリカには約4,000校の私立、州立(公立)、リベラルアーツカレッジ、コミュニティカレッジ(公立の2年制大学)の大学があり、英語圏の大学で大学数がもっとも多い国です。アメリカの大学は原則的にどの学期からでも入学でき、卒業単位数を満たせば、どの学期の終わりにでも卒業(学位取得)が可能です。アメリカの大学は卒業単位数などの要件を満たせば、4年(または2年)を待たずに卒業ができます。例えば、夏休み期間を使って単位を取得すれば、4年制大学を3年や3年半で卒業可能で、滞在費を抑えることもできます。アメリカの大学には600以上の専攻があり、アメリカで人気のビジネスから特殊なアスレティックトレーニング、美容学などが大学で学ぶことができます。日本では専門学校でしか学べない分野がアメリカでは大学で学べ、学位が取得できることも魅力的です。

~海外大学も選択肢に~アメリカの大学留学とは【完全版】

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PROFILEこの記事をかいた留学カウンセラー

アメリカで経営学、教育学を学ぶ。ブリティッシュカウンシル認定上級カウンセラーおよび国家資格キャリアカウンセラー資格を有し、これまでに7000名以上のカウンセリングを行った熱血カウンセラー。グローバル人材育成のキャリアカウンセリングもお任せください。