【スポーツ留学・バスケットボール対談】ライムズ株式会社CEO平将貴氏&アフィニティ平田智義・吉野康義

これまで田村さつき氏大川彰一氏をはじめとするグローバル教育に関わる専門家の方々をお迎えして行ってきたスペシャルインタビュー企画。今回は、ライムズ株式会社代表取締役社長の平将貴さんににお越しいただきました。


■ライムズ株式会社
代表取締役社長 平将貴
1982年生まれ、東京都出身。日本大学経済学部卒業。
将来『日本のバスケを変える』という人生のミッションを掲げ、ビジネス基礎を最速で得るべくITメガベンチャーにてキャリアをスタート。M&Aにてトランスコスモス株式会社に転籍以降、トップ営業や提案表彰等を複数獲得し幅広く経験を積む。
2011年よりアプリビジネスのプラットフォーム立ち上げのメンバーとしてグリー株式会社へ入社。アライアンス構築やデベロッパーリレーションを経て、プロデューサーとして国内外のアプリ市場それぞれでランキング上位を獲得するタイトルを複数創出した。
2014年より株式会社メタップスに入社。グローバル展開していた広告プラットフォームの事業責任者、統合型分析ツールMetapsAnalyticsのPMから『データ活用 x コンサルティング』のモデルを展開し、2015年8月のIPOに貢献。国内事業の責任者として、資金調達、IPO、JV設立、子会社経営とベンチャー経営の“いろは”を学ぶ。これまでのキャリアナレッジを活かし、国内外の様々な企業へのコンサルティング提供。
また、スポーツ選手に対しての育成、ブランディング、キャリア支援、ビジネス面のフォロー等をライムズスポーツコンサルティングとして提供している。スタートアップ企業、スポーツクラブ企業はじめ、複数企業の経営にも参画。
https://rhymes-inc.com/

■株式会社アフィニティ
代表取締役社長 平田 智義

アメリカで経営学、教育学を学ぶ。ブリティッシュカウンシル認定上級カウンセラーおよび国家資格キャリアカウンセラー資格を有し、これまでに6000名以上のカウンセリングを行った熱血カウンセラー。
webディレクター 吉野康義
アパレルや会社経営などを経て、留学業界に入る。世界数カ国の滞在経験を持ち、海外で働いた経験も。今回は、自身もバスケットボールを経験していることがきっかけで、初めてのインタビュー出演が決まった。
https://affinity-japan.com


平さんは普段、どういった活動をされているんですか?

ライムズ株式会社としては主にふたつ活動があります。ひとつは経営コンサルのお仕事で、いろいろな企業の経営者の方々とお話をして会社のコンサルをさせていただくという事業です。もうひとつはスポーツのほうの事業で、こちらは完全にバスケットボールのビジネスにフルコミットしている業態でして、端的にいうと「日本のバスケットをより良くする会社」というコンセプトがあります。

そのなかで一番ウェイトとして大きいのが、バスケットボール選手の育成や強化です。プロ選手もそうですし、主に18歳以上の、自分たちで意思決定ができるようになった年代の選手たちを、バスケットボールの競技者としても育てながら、ビジネスマンとしてもフォローしていくというサポートに時間を割いています。

要するにスポーツとは、ただ運動していればいいだけではないということですよね。

そうですね、野球とかサッカーとかゴルフとか、いろいろなスポーツがあります。団体競技のなかで日本ではバスケットは比較的プロ化したのは後発だと思うんですけれど、どうしても個人の競技の人たちのほうがプロフェッショナリズムが先行しています。やっぱり自分しかいないので、スポンサーを自分で見つけてきたり、環境を整えたりすることは、ゴルフやテニスなど個人のアスリートのほうが長けている印象があります。
団体競技ですと、チームのなかでプレーだけしていればいいという感覚が、日本は海外よりも大きいのかなと思います。実業団的な発想からいくと、野球やサッカーも出ているので、個々で考えるとそのあたりの意識が希薄だなと。それがたとえばセカンドキャリアだったりデュアルキャリアを考えるにあたっても、突然競技が終わったら「あれ、どうしたらいいんだろう」ということになりかねません。

確かに、日本の選手は特にそういうケースが多いと聞きますよね。

だからサッカーでいうと中田英寿さんとか本田圭佑さんみたいになると、突き抜けている感が出ちゃうと思うのですが、比較的海外で活躍している、バスケットでいうとNBAの選手は、そういうマインドが日本の選手より高いかなと。

そうですね、セルフプロモーション力はすごいですよね。

まあそれは当然、個人が突き抜けているかというと、それだけではないと思っています。海外だと、それをサポートするマネージメント会社やエージェントなど、いろいろ関連するビジネスをやっている人たちが多いので。
一方、日本ではその点が排他的になってしまっていて、選手にあまり知識をつけさせたくないという大人がいるのも事実だったりします。バスケットは世界でトップの競技人口があるスポーツですし、日本もどんどんそういうところでマネタイズできるような環境を作らなければいけないなというのがあるので、そこを我々としては選手ファーストでしっかりサポートできるようにしていきたいというのは、コンセプトとしてありますね。

Jリーグが発足したときもそんな感じに見えましたよね。

Jリーグのときもやっぱり、どうしても野球の流れのように企業名がついて…という成り立ちがありましたけど、バスケットは紆余曲折があって4年前にプロ化をしたというところもあるので、プロ意識が高い選手もいるものの、まだ周辺環境が追いついていないというところが、日本だとあるかもしれないですね。

留学や海外挑戦という話をすると、これはよく言うんですが、いまの日本のバスケは、98年のサッカーワールドカップの時代のサッカーに非常に似ているなと思っています。当時は中田英寿選手だけ海外で気を吐いていて、その他はみんなJリーグ中心で、国内組はプロ意識の面も海外へのアジャストメントも、いろいろ過渡期と言われていました。
そこから2大会後くらいになると、代表がほぼ全部海外組となり、10年くらいでそういう流れがあったと思うんですけど、まったく同じような時期がいま訪れています。八村塁がNBAでプレーしていて、それ以外がBリーグのベテラン選手たちで。
そしてここから10年くらいで、ヨーロッパやアメリカでプレーしている海外選手やBリーグ自体のレベルが上がっていって、海外競争力が高いという状況に素早く持っていかないといけません。
まあ、ただ20年前とはインターネットが整備されている点が圧倒的に違うので、3分の1くらいのスピード感になるイメージがありますね。情報の均一化というところも含めて。

20年前くらいですと田臥勇太選手がアメリカにチャレンジされたころですよね。

あのときは逆に言うと、スポーツで留学をしようとしても情報の偏りがあったと思います。知り合いのつてを辿って…みたいな話とか、留学が遠い感覚があったかと。昔は国際電話でお金をかけて11回電話できるかみたいな感じだったと思うんですけど、そういう面も含めてハードルはかなり低くなったんじゃないかなという気がします。

実際、田臥選手が行っていたころに平田も留学していたんですが、海外への出願をFAXで送って、届いているかを電話で確認するような時代だったので、彼が先駆者として行ったものの、そのあとがなかなか続かなかったのかなと思うんですけど。いまはBリーグもワールドカップもあるという意味では、八村選手はタイミングがいいときにデビューされましたね。

バスケ界としてはこの機会をうまく活かしたいですね。
この20年ではアメリカが最強でしたが、スペインなどヨーロッパのチームはそれに迫る勢いで力をつけてきていて、現に昨年のワールドカップはスペインが優勝していますし、アメリカだけじゃなくヨーロッパやオーストラリアもプロのレベルが高いですから、分散化してきています。NBAがグローバルリーグになっているので最強ではあるんですが、それ以外の地域でもいろいろ発展してきているので、日本人選手が行く地域の選択肢は増えているかなという印象ですね。

バスケット留学で海外にチャレンジすると考えたとき、日本の高校生がアメリカの大学もしくはコミュニティカレッジに行って、勉強しながら大学リーグでチャレンジするイメージを考えてしまいがちなんですが、平さんのところでは、ヨーロッパなどの国にチャレンジされる方もサポートされているんでしょうか。

個人の目的って人それぞれじゃないですか。何が何でもプロを目指したい、しかも日本ではなく海外でプロをやりたいという人もいるでしょうし、当然NBAを目指したいという人もいるでしょうし、その目標に対して、本当に近いアプローチはどこなのかというところから逆算していくべきなのかなと思っています。八村塁選手のようにフィジカルスペックもあって、向こうの大学からも声がかかっているという状況であれば、彼が通ったような道がベストなんでしょうけど、逆にいうと、それがたとえば中学3年生のタイミングだった場合に、何が一番いいのかという話になると、情報的な部分も含めて、ひとりの意見では決められないなと。

最近、ヨーロッパへ行っていろいろな話を聞いてきましたが、たとえばイタリアだとセリエAからAマイナス、B、C、と、プロとして4つのリーグがあるんですけど、イタリアのなかだとセリエAには外国人枠があります。でもAマイナスとBは外国人が入れないんですね。Cは外国人でも入れます。おもしろいのは、Aマイナス、Bに外国人として入れる条件は、U-15から4年間イタリアでプレーをしていれば、イタリア人として入れます。なので、ドメスティックに見えるんですけど、日本人からすると留学生枠として4年間イタリアの空気を吸っていれば、あなたはイタリア人としてプレーできますよという。逆に秀逸なシステムだなと思いますが、そういうことって日本であまり知られていないので。

クラブの経営者はどううまく使っているか?/スポーツビジネスを志す人はあの国へ/スポーツ選手のセカンドキャリア支援/スポーツ以外に必要な知識とは/etc…続きは動画で!

\平さん、今回はありがとうございました!/

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